おひさまは「自由」がある。しかし、やりたい放題やれるわけではありません。
――自由を生きるために、まず「型」を育てる――
おひさまでは、子どもたちに日々「自由」という言葉を伝えています。
ただし、その意味は一般にイメージされがちな
「何でもかんでも好きにしていいこと」ではありません。
私たちが子どもたちに伝えている自由とは、
自分で考え、選び、その結果を引き受ける力 のことです。
そして、その自由を本当に身につけるためには、
欠かせないものがあります。
それが 「思考の型」 です。
■ 自由には、順番がある
おひさまで子どもたちに繰り返し伝えていることがあります。
- 何でも好き放題やることが自由ではない
- 自由にしたければ、まずやるべきことをやる
- 自分で決めたことは、最後までやる
- やるべきことをやった上で、自分のしたいことを主張する
- 主張が通らないこともある
- そのときは、泣いたり怒ったりする前に「理由」を尋ねる
これはルールで縛っているのではなく、
考えるための順番=思考の型 を伝えているのです。
■ 「型にはめる」のではなく、「型を持たせる」
「型」と聞くと、
「子どもを型にはめるのでは?」
「自由を奪うのでは?」
と感じる方も少なくありません。
しかし、教育の世界でいう「型」とは、
行動や思考を縛る枠ではなく、支える土台 です。
型とは、
- どう考えればよいか
- どう行動すればよいか
- どう言葉にすればよいか
という 筋道 のこと。
この筋道がない状態は、自由ではありません。
それは 「型なし」 の状態です。
■ 型のない子どもは、実はとても不自由
型が育っていない子どもは、
- その場の感情で動く
- 思いつきで行動し、後悔する
- うまくいかないと癇癪や回避に向かう
- 他人のせいにする
- 泣いたりわめくことで主張するが、理由が説明できない
といった困りごとを抱えやすくなります。
これは性格の問題ではなく、
思考や感情を整理する枠組みが育っていない状態 です。
■ 研究が示す「型」の重要性
発達心理学では、
思考や行動の枠組みは 「スキーマ」 と呼ばれます。
研究によると、
スキーマ(思考の型)をしっかり持っている子どもほど、
- 自己制御力(感情や行動をコントロールする力)が高い
- 問題解決力が高い
- 対人関係が安定しやすい
ことが明らかになっています。
また、実行機能(ワーキングメモリ・抑制・柔軟性)の研究では、
「やるべきこと→自分のしたいこと」という順番を理解している子ほど、
学習面・社会性の両方で安定する
という結果も示されています。
つまり、
型は創造性や自由の敵ではなく、前提条件 なのです。
■ まずは型。その先に自由がある
武道や芸事の世界には
「守・破・離(しゅ・は・り)」という考え方があります。
- 守:まず型を身につける
- 破:型を理解した上で応用する
- 離:型を超えて自由に表現する
最初から「自由」だけを与えても、
子どもはどう考え、どう動けばよいのかわかりません。
まず型があるからこそ、自由が生きたものになる のです。
■ 主張が通らない経験も、自由を学ぶ一部
おひさまでは、子どもの主張が必ず通るわけではありません。
しかし、その代わりに必ずこう促します。
「どうしてダメなのか、理由を聞いてみよう」
感情的に泣く・怒る前に、
理由を聞く、理解する、納得する。
この経験を積み重ねることで、
子どもは 衝動ではなく思考で動けるようになる ことが、
情動調整に関する研究でも示されています。
■ おひさまの自由は「放任」ではない
一見すると、おひさまは自由度が高く見えるかもしれません。
しかしそれは放任ではありません。
- 考える順番を示す
- 決めたことをやりきる伴走をする
- 感情ではなく言葉で整理させる
という、非常に教育的で意図的な関わりです。
■ 自由を生きる力を育てるために
自由とは、
わがままでも、言いたい放題でもありません。
自由とは、
やるべきことを理解し、
その上で自分の意思を、言葉で、落ち着いて伝えられる力 です。
おひさまで育てているのは、
すぐに目に見える成果ではなく、
将来必ず子どもを支える
思考力・判断力・対話力という土台 です。
■ まずは型。自由はその先に。
型のない自由は、混乱です。
型のある自由は、力になります。
おひさまはこれからも、
子どもたちが自由を生きていくために必要な
「考え方の型」 を、
日々の関わりの中で丁寧に育てていきます。


