「子どもの声を聞く」社会に反していないか?
2023年、児童福祉法が改正され、「子どもの声を聞くこと」が基本理念として明記されました。
しかし、その理念とは裏腹に、私たちの身近な環境では、子どもたちの自由や主体性が奪われる場面が多く見受けられます。
この記事では、改正された児童福祉法の内容を確認しながら、現場で感じる“窮屈さ”について考えてみたいと思います。
児童福祉法の改正ポイント
「子どもの意見を尊重する」
2023年4月施行の改正児童福祉法では、目的および基本理念の中に以下のような文言が新たに盛り込まれました。
> 第二条第三項(新設)
子どもは、その年齢及び発達の程度に応じて、自らの意見を表明する機会を与えられ、その意見が、子どもに影響を及ぼすすべての事項に関して、十分に考慮されるものとする。
これは、子どもを「守られる存在」から、「自ら権利を持つ主体」として捉えなおそうという重要な視点の転換です。
子どもの声を聞き、意見を尊重することで、よりよい社会づくりを目指す―それがこの改正の核心です。
しかし現場では…矛盾を感じる日常の風景
こうした理念とは裏腹に、実際の現場では、むしろ子どもたちの声が届きにくくなっていると感じることが多々あります。

公園での過剰なルールと指導
最近では、公園に常駐する管理人が増えています。もちろん安全を守るための存在ですが、実際にはこんな声が子どもたちに飛び交います。
- 「走らないで!」
- 「木に登らないで!」
- 「遊具は○歳までだから使わないー!○歳までって書いてあるでしょ?!」
子どもが自然に遊びの中で危険を学び、成長していく機会が失われています。
「なぜだめなの?」「どうしたらいいの?」という対話もなく、一方的に禁止される光景が目立ちます。
児童館・遊び場での理不尽なルール
児童館や地域の遊び場でも、
- 「走らない」
- 「大声を出さない」
- 「ボールは使わない」
といった一律的な制限が多く設けられています。
中には、「職員の気分や都合」でルールが急に変更されるというような場面も。
それを象徴するように、施設の職員は何の根拠もないまま「根拠などない」「今私の言っていることがルールです!」「ルールを守って下さい!」を繰り返します。
守らないとは言いませんので、根拠を示してほしいところです。
結果として、子どもたちはのびのびと過ごすことができず、自ら考え、話し合い、調整していく力を育むことが難しくなってしまっています。
理念と現実のギャップ
このような現状は、児童福祉法で掲げられた「子どもの声を聞く社会」とは正反対の方向へ向かっているように見えます。
大人の都合で環境が整えられ、危険や不便を“排除”するあまり、
子どもたちの「挑戦したい」「表現したい」「自分で考えたい」という気持ちが尊重されにくくなっているのです。
子どもの声が反映される社会に向けて
制度だけではなく、私たち大人一人ひとりが子どもとどう関わるかが問われています。
子どもと目線を合わせて話を聞く
理由を説明し、一緒に考える時間をつくる
「ダメ」よりも「どうしたらできるか?」という問いを持つ
このような積み重ねこそが、法の理念を現実の社会へと実装する第一歩です。
おわりに
「子どもの声を聞く」ことは、一見当たり前のようで、実はとても勇気と工夫のいることです。
私たちが“子どものため”と考えているルールや仕組みが、本当にその子の幸せにつながっているのか―
一度立ち止まり、現場の矛盾に目を向けていくことが大切だと思います。


