子どものSOSとは
子どもが「学校に行きたくない」「つらい」「やりたくない」「今日は休みたい」と口にしたとき。
それは、わがままでも、甘えでもなく、
子どもなりに精一杯出しているSOSです。
この最初のサインをどう扱うかで、
その後の親子関係と子どもの行動は、大きく分かれていきます。
子どものSOSは「行動」に姿を変える
心理学・発達研究では、感情が言葉として受け止められないと、人は行動で表現することが分かっています。(Gottman, 1997/Siegel, 2012)
つまり、
- 「行きたくない」と言ったのに否定された
- 気持ちを説明する前に遮られた
- 弱さとして処理された
こうした経験が重なると、子どもは学習します。
「言葉では伝わらない」「感じたことを言っても意味がない」
その結果、
SOSは「問題行動」という形に変換されていくのです。
暴言、暴力、無気力、登校しぶり、体調不良。
これらはすべて、同じ線上にあるサインです。
「厳しさ」でメンタルは強くならない
よく使われる言葉に、「メンタルを強くしないと社会でやっていけない」というものがあります。
しかし研究では、
感情を否定され続けた子どもほど
- ストレス耐性が低く
- 回復力(レジリエンス)が育ちにくい
ことが示されています。(Masten, 2001/Perry, 2006)
本当の意味での「強さ」とは、
- 弱さを感じ取れること
- 立ち止まれること
- 助けを求められること
です。
SOSを出せた経験こそが、メンタルの土台になります。
親が気づくまで、子どもは「問題を起こし続ける」
子どもは、親に気づいてほしいから行動します。
言葉で伝えても無視された
小さなSOSを見逃された
その結果、
「もっと大きなサインを出さなければならない」
と、無意識に学習します。
これは意図的な反抗ではありません。
関係をつなぎとめるための必死な試みです。
手遅れになってからの「相談」
親子ともに疲弊し、どうにもならなくなった段階で、初めて第三者に相談が向けられることがあります。
しかしその時には、
- 子どもは大人を信用していない
- 親の言葉が心に届かない
- 修復に非常に時間がかかる
という状態になっていることも少なくありません。
それでも親は、こう言います。
「専門の人に相談したけど無駄だった」
心理学ではこれを
自己防衛的帰属と呼びます。(Heider, 1958)
自分の選択や初動と向き合うことがあまりにも苦しいため、他者のせいにすることで心を守ろうとする反応です。
だからこそ「初動」がすべて
子どものSOSに対して必要なのは、
正しさを押しつけること
行動をすぐ変えさせること
ではありません。
まず必要なのは、
「そう感じたんだね」と受け止めること
言葉にできたこと自体を肯定すること
このたった一つの対応が、
問題行動への分岐点になります。
おわりに
子どもは、
親を困らせるために問題を起こしているのではありません。
気づいてほしいから、つながり続けようとしているのです。
小さなSOSに立ち止まれるかどうか。
そこに、親子関係の未来が詰まっています。
この「次の一手」を、
私たちはフリースクール智慧空間のHPで整理しています。子どものSOSシリーズ
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