ちょっとした意識の違いで妨げてしまうことも
――悪気はなくても、起こりやすいこと――
「型づくりが大切なのはわかるけれど、
家ではなかなかうまくいかない」
そう感じる方も多いと思います。
実は、型づくりを妨げてしまう関わりの多くは、
愛情があるからこそ、ついやってしまうこと です。
ここでは、家庭で起こりやすい例を挙げながら、
なぜそれが型づくりを止めてしまうのかを整理します。
■ ① 大人が先回りして答えを出してしまう
忙しいときほど、
- 「こうしなさい」
- 「それはダメ」
- 「もう時間ないから、これでいい」
と、大人がすぐに結論を出してしまいがちです。
しかしこの関わりが続くと、
子どもは 考える前に指示を待つ ようになります。
研究でも、
大人が先に答えを出す場面が多いほど、
子どもの実行機能(計画・判断・抑制)が育ちにくいことが示されています。
■ ② その日の気分でルールが変わる
- 昨日はダメだったのに、今日はOK
- 機嫌がいいと許される
- 泣いたら通る
このような関わりが続くと、
子どもは 順番や条件ではなく、大人の反応を読む ようになります。
すると、
「どう考えるか」ではなく
「どうすれば通るか」
が判断基準になってしまいます。
これは型づくりにとって、大きなブレーキになります。
■ ③ 「ダメ」で会話が終わってしまう
「ダメ」
「今は無理」
「やめなさい」
これ自体が悪いわけではありません。
問題は、そのあとに 理由や代案が示されないこと です。
理由がないと、
子どもは
- なぜダメなのか
- どうすればいいのか
を考えることができません。
結果として、
感情だけが残り、思考の型が育ちません。
■ ④ すぐに感情をなだめて終わらせてしまう
泣いたり怒ったりしたとき、
- 「もういいよ」
- 「かわいそうだから」
- 「今日は特別ね」
と早く収めたくなるのは自然なことです。
しかしこれが続くと、
子どもは
感情を出せば状況が変わる
と学んでしまいます。
研究では、
感情のあとに「理由を言葉にする経験」がない場合、
情動調整力が育ちにくいことが示されています。
■ ⑤ 失敗をすぐに取り上げてしまう
- うまくできないと、大人が代わりにやる
- 間違える前に止める
- 時間がかかりそうだから手を出す
これは優しさですが、
子どもにとっては
考え直す・やり直す機会 を失うことになります。
型づくりに必要なのは、
成功よりも 試行錯誤のプロセス です。
■ ⑥ 大人の言葉が感情的になってしまう
- 「何回言ったらわかるの!」
- 「だからダメなんだよ」
- 「どうしてできないの?」
感情が乗った言葉は、
子どもにとって内容よりも
「怖さ」や「否定」として残ります。
すると、
考える前に萎縮するようになり、
型は育ちにくくなります。
■ 型づくりを邪魔してしまう関わりの共通点
これらの関わりに共通しているのは、
- 考える前に終わってしまう
- 理由や順番が共有されない
- 子どもが「選ぶ」経験を持てない
という点です。
型は、
考える時間・言葉にする時間・やり直す時間
があってこそ育ちます。
■ 完璧を目指さなくて大丈夫
ここに挙げたことを、
誰もが一度はやっています。
大切なのは、
「やってしまった」と気づいたあとに、
次の一回を少し変えてみることです。
- 今日は一つだけ理由を伝える
- 今日は一回だけ「どうする?」と聞いてみる
それで十分です。
■ 型づくりは、親を追い詰めるものではない
型づくりは、
親が頑張らなければならない教育法ではありません。
親子のやりとりが
少し楽になる方向へ向かうもの です。
おひさまでは、
家庭と一緒に、
無理のない形でこの型づくりを支えていきます。


