子どもに増えていく力
――目立たないけれど、あとから効いてくる力――
「型づくり」というと、
ルールを守らせること、行動を制限すること、
そんなイメージを持たれることがあります。
けれど実際には、
型が育つことで、子どもの中に“できること”が増えていきます。
それは、テストの点数のようにすぐに見える力ではありません。
ですが、成長するほどに差が出てくる、
とても大切な力です。
■ ① 自分で考えて動く力
型が育つと、子どもは
- 何を先にやるか
- どの順番がよいか
- 今できることは何か
を、自分で整理できるようになります。
実行機能の研究では、
行動の見通しを立てられる子どもほど、
指示がなくても自発的に行動できる
ことが示されています。
おひさまで見られるように、
- 「お稽古、何時からやる?」
- 「先に片付けよう」
- 「終わったら〇〇していいですか?」
といった声が、
子ども同士から自然に出てくるようになります。
■ ② 自分の気持ちを言葉にする力
型が育つと、
感情がそのまま行動に出ることが減り、
- 嫌だった理由
- 困っているポイント
- してほしいこと
を言葉で整理できるようになります。
言語化能力に関する研究では、
感情を言語化できる子どもほど、
対人トラブルが少なく、自己肯定感が高い
ことがわかっています。
「泣く」「怒る」代わりに
「理由を聞く」「説明する」
という選択ができるようになるのは、
型が育った結果です。
■ ③ 主張と我慢のバランスをとる力
型がないと、
- 我慢ばかりする
- 逆に、要求ばかり通そうとする
どちらかに偏りやすくなります。
型が育つと、
- 今は我慢
- 次は主張
- 条件が整ったら交渉
という判断ができるようになります。
これは、
自由を扱う力 が育ってきたサインです。
心理学では、
自己制御力と自己主張力がバランスよく育つことで、
社会的適応力が高まることが示されています。
■ ④ 学びに向かう力(内発的動機)
おひさまでは、
- 少しずつ
- 毎日
- 無理のない範囲で
さまざまな学問に触れます。
型が育つと、
「やらされる学び」ではなく、
「知りたいからやる学び」へと変わっていきます。
研究でも、
自分で選び、見通しを持てる学習環境では、
学習意欲が持続しやすい
ことが確認されています。
- もっと知りたい
- 次は何ページ?
- 終わったら〇〇していい?
というやりとりは、
学びと生活がつながっている証拠です。
■ ⑤ 人と協力する力
型が育つと、
「自分だけ」ではなく、
- 周りの状況
- 相手の動き
- 全体の流れ
を見て行動できるようになります。
掃除を始めるときに、
誰かが声をかけ、
他の子が自然に動き出す。
これは、
指示されているのではなく、
場の型を理解している からこそ起こる行動です。
■ ⑥ 失敗しても立て直す力
型がある子どもは、
失敗したときに
- どうすればよかったか
- 次はどうするか
を考え直すことができます。
失敗=終わり
ではなく、
失敗=調整
と捉えられるようになるのです。
これは、
レジリエンス(立ち直る力)に関する研究でも、
非常に重要な要素とされています。
■ 型が育つと「自由」が広がる
型は、子どもを縛るものではありません。
むしろ、
- 自分で決められる
- 自分で調整できる
- 自分で責任を引き受けられる
自由の幅を広げる土台 です。
■ すぐに見えなくても、確実に積み上がる
型が育った子どもは、
派手に変わるわけではありません。
けれど、
- 落ち着き
- 言葉の丁寧さ
- 行動の安定
として、静かに表れてきます。
それは、
大人になってからこそ効いてくる力です。
■ おひさまが大切にしていること
おひさまでは、
子どもを「できる子」にすることよりも、
自分で考え、選び、調整できる人に育つこと
を大切にしています。
型が育つことで増えていく力は、
そのための確かな土台です。

