型が育つと、子どものトラブルは静かに減っていく
――叱らなくても、管理しなくても――
子どものトラブルというと、
・ケンカ
・暴言
・癇癪
・やりたくない、できない
といった、目に見える行動に目が向きがちです。
けれど、これらの多くは
原因ではなく「結果」 であることが、
発達心理学の研究からもわかっています。
その背景にあるのが、
考え方の型(思考の順番・行動の筋道)がまだ育ち途中であること
です。
■ トラブルが多い=性格の問題ではない
研究では、子どもの問題行動の多くが、
- 実行機能(計画・抑制・切り替え)の未成熟
- 感情と言葉がまだ結びついていない
- 状況を整理する枠組みが弱い
ことと強く関連しているとされています。
つまり、
「わざと困らせている」
「言うことを聞かない」
のではなく、
どうすればよいかを整理する力がまだ育っていない
だけのケースが非常に多いのです。
■ 型が育つと、まず減るトラブル①
「感情の爆発」
型が育ってくると、
子どもは少しずつ、
- 今は我慢する
- 先にやることがある
- 言葉で伝えればよいのだ
と考えられるようになります。
実行機能の研究では、
「行動の順番を理解している子どもほど、
衝動的な感情表出が減る」
ことが示されています。
結果として、
癇癪・泣き崩れ・怒鳴る
といったトラブルが、徐々に減っていきます。
■ 型が育つと、減るトラブル②
「言葉の荒れ・暴言」
感情を整理する型がないと、
子どもは
感情をそのまま言葉に乗せてしまう
傾向があります。
型が育つことで、
- なぜ腹が立ったのか
- どこが嫌だったのか
- どうしてほしかったのか
を、言葉で整理する力がつきます。
言語化能力と問題行動の関連についての研究では、
語彙力が高い子どもほど、攻撃的行動が少ない
ことが明らかになっています。
■ 型が育つと、減るトラブル③
「順番・ルールをめぐる衝突」
「今やりたい」
「先にやりたい」
「待てない」
こうした衝突の多くは、
順番を理解する型が未成熟 なことが原因です。
おひさまで見られるように、
- 先にやること
- 終わったら楽しめること
という型が内在化すると、
子ども同士で声をかけ合い、
トラブルが自然に減っていきます。
これは、
ルールを押し付けた結果ではなく、
納得できる枠組みを理解した結果 です。
■ 型が育つと、減るトラブル④
「大人との対立」
型がない状態では、
子どもは
「止められた=否定された」
と感じやすくなります。
しかし型が育つと、
- 理由を聞く
- 条件を確認する
- 別の選択肢を考える
という対応ができるようになります。
結果として、
注意=対立
ではなく、
注意=話し合い
へと変わっていきます。
■ なぜ「静かに」減っていくのか
型が育つことによる変化は、
叱って止めたような派手さはありません。
けれど、
- 先回りして止める必要が減る
- 管理しなくても回る
- 大人の声かけが減る
という形で、
環境そのものが落ち着いていきます。
研究でも、
自己制御力が高まった子どもほど、
外からの統制が少なくても安定する
ことが示されています。
■ トラブルが減ると、次に育つもの
トラブルが減ることで、
初めて子どもに次の力が育ち始めます。
- 協力する力
- 話し合う力
- 自分で調整する力
これらは、
トラブルを「抑え込んで」育つものではなく、
型が整ったあとに自然に立ち上がる力 です。
■ トラブルの少なさは、成長の結果
トラブルが少ない子は、
「大人に従順な子」ではありません。
- 考える順番を持ち
- 感情を整理し
- 自分で選び
自由を扱えるようになった子 です。
おひさまでは、
トラブルを減らすこと自体を目的にしていません。
トラブルが減るのは、
型が育った“結果” にすぎないのです。
■ 目立たないけれど、確かな変化
型が育つと、
叱る場面が減り、
声を荒げる必要がなくなり、
子ども自身が自分を整え始めます。
それは、
将来、社会で生きていくための
とても大切な力です。


