「最近、子どもがゲームばかりで困っていて…」
こんなお悩み、保護者の方もですが、子ども関係の色々をしているためか多方面からよく耳にする言葉です。
でも、少しだけ視点を変えてみると、実は子どもたちは大人の行動をよく見ているんですよね。
■ 子どもがゲームをやめないのは、親の背中を見ているからかもしれない
家事の合間に、通勤中に、ちょっとしたスキマ時間に——
私たち大人も、ついスマホでゲームやSNSを見てしまうこと、ありませんか?
もちろん、それ自体が“悪いこと”とは思いません。
でも、「子どもがゲームばかりする」と言いながら、自分も同じような行動をしているとしたら…?
【研究①】
国立成育医療研究センターの調査(2021)では、
保護者のスマホ・ゲーム使用時間と、子どものスクリーンタイムには明確な相関関係がある
と報告されています。
つまり、親がスマホやゲームに夢中になっていると、子どもも自然とその行動をまねる傾向が強まるのです。
【研究②】
また、アメリカ心理学会(APA)の発表によると、
子どもは「親が何をしているか」を日常的に観察し、無意識に模倣する行動傾向がある
とされています(Bandura, 1977:社会的学習理論)。
■ スマホゲームが、子どもの脳に与える影響
「でも、ゲームぐらい、息抜きでいいんじゃないの?」
もちろん、適度な遊びは子どもにとっても大切な時間です。
ただし、「スマホゲーム」による過剰な刺激は、子どもの脳に深刻な影響を与える可能性があることが、世界中の研究で指摘されています。
【研究③】
東京大学の研究(2022)では、
小学生がスマホゲームを長時間使用することで、前頭前野(思考・判断・集中力をつかさどる部位)の発達に遅れが出る可能性がある
と報告されています。
【研究④】
さらに、韓国の高麗大学の研究では、
スマホゲームに過度に依存した子どもは、報酬系(快楽を感じる脳の部位)が過剰に反応し、依存傾向が進行する
ことがMRI研究で示されました。
つまり、スマホゲームは「刺激が強すぎてやめられない」だけでなく、脳の健全な発達を妨げるリスクすらあるのです。
■ まず、大人から「ちょっとやめてみる」選択を
子どもに「ゲームばかりしないで」と言う前に、
✔ 自分もスマホから少し離れてみる
✔ 一緒に本を読んでみる
✔ ボードゲームや散歩など、代わりになる楽しみを一緒に探してみる
そんな大人の姿勢が、子どもにとって何よりも強いメッセージになります。
■ 最後に
子どもは、親の背中を見て育ちます。
「ゲームばかりしている子ども」の背景には、「ゲームで忙しい大人」がいるのかもしれません。
怒る前に、まずは一緒に変えてみませんか?
今日、あなたがスマホを少し置いて子どもに笑いかけたその瞬間が、
お子さんの心にあたたかく残る“記憶のスクリーン”になりますように。
※参考文献:
・国立成育医療研究センター(2021)「親子のメディア使用実態調査」
・Bandura, A. (1977). Social Learning Theory.
・東京大学医学部 脳科学研究チーム(2022)「小学生のスマホ使用と脳発達に関する研究」
・Hong, S.-B. et al. (2013). Brain imaging study of smartphone addiction. Korean J Psychiatry.


