型が育つまでにかかる時間
――3ヶ月でやめてしまうのは、本当にもったいない理由――
放課後児童クラブを選ぶとき、
多くの保護者がこう考えます。
- 合わなかったら変えればいい
- とりあえず3ヶ月様子を見よう
- 早めに判断したほうが傷が浅い
その判断自体は、とても真剣で誠実なものです。
ただ、「型づくり」という視点から見ると、
3ヶ月という期間は、まだ入口に立った段階
であることがほとんどです。
■ 型づくりは「慣れ → 混乱 → 内在化」の順で進む
発達心理学では、
新しい環境での行動変化は、
次のような段階をたどることが知られています。
- 慣れの時期(最初の1〜2ヶ月)
環境を観察し、大人やルールを探る時期 - 揺れ・混乱の時期(2〜4ヶ月)
試し行動・反発・甘えが出やすい時期 - 内在化の時期(4〜6ヶ月以降)
考え方や行動の型が自分のものになり始める
多くの保護者が不安になるのは、
ちょうど ②の揺れの時期 です。
- 友達を悪く言い始める
- 注意されたことを家に帰って話す
でもこの時期は、
型が入っていないのではなく、入り始めている証拠
でもあります。
■ 3ヶ月で環境を変えると、何が起きやすいか
型が入りかけたタイミングで環境を変えると、
子どもは次のような状態になりやすいことが研究でも示されています。
- 新しいルールに再適応できない
- 「どうせまた変わる」という不安
- 試し行動がさらに強く出る
その結果、
行った先で
- 言うことを聞かない子
- 問題のある子
- ルールを守れない子
というレッテルを貼られてしまうことがあります。
実際に、「料金が高い」「少し遠い」という理由で他の学童に乗り換えた児童は、
他の学童で「次やったら学童をやめてもらう」
と強い言葉をかけられ、
親子ともに追い詰められてしまうケースもあります。
これは、
子どもが悪いからではありません。
まだ型が育ちきっていない段階で、
再び環境適応を求められている
だけなのです。
■ 型は「見えないところ」で育つ
型づくりの一番難しい点は、
成果がすぐに目に見えないこと です。
- 急に良い子になるわけではない
- トラブルがゼロになるわけでもない
けれど、内部では確実に、
- 順番を考える力
- 言葉で整理する力
- 我慢と主張の切り替え
が育ち始めています。
この段階でやめてしまうと、
一番大変な時期だけ経験して、
一番おいしい時期を迎えられない
ことになってしまいます。
■ 型が「入った」あとに起こる変化
おひさまで見られるのは、
半年ほど経った頃からの変化です。
- 子ども同士で声をかけ合う
- 大人の指示がなくても動ける
- 「終わったら〇〇していいですか?」と交渉できる
- 注意される回数が減る
これは、
管理された結果ではなく、
考え方の型が内側に入った結果 です。
■ 環境を変える前に、知ってほしいこと
もちろん、
本当に合わない環境もあります。
ただ、
- 注意が増えた
- 厳しくなったように感じる
- 子どもが反発している
という理由だけでの離脱は、
実は 成長の山場 であることが少なくありません。
研究でも、
自己制御力や社会性が伸びる直前に、
一時的な不安定さが現れることが確認されています。
■ 「続けたからこそ、楽になる」
型づくりは、
続けるほど大人が楽になります。
- 先回りして止めなくてよくなる
- 叱る回数が減る
- 子どもが自分で整える
これは、
短期間では手に入りません。
■ 中途離脱が「もったいない」理由
3ヶ月でやめることは、
失敗ではありません。
でも、
型が入り始めたところでやめてしまうのは、
本当にもったいない。
そう言い切れるだけの理由があります。
■ おひさまが伝えたいこと
おひさまは、
すぐに結果が出る場所ではありません。
けれど、
続けるほど
子どもが楽になり、
親も楽になり、
環境との摩擦が減っていきます。
それが、
型づくりの本当の価値 です。


